Get Things Right

My English blog is here http://getthingsright.blogspot.com/

経済

なぜカンボジアの金利は高いのか

カンボジアは現地通貨もあるが、ドルが経済の中心だ。2023年1月21日現在、カンボジア市中銀行の1年物米ドル定期金利(満期払い)は以下である。 ACLEDA 5.6% https://www.acledabank.com.kh/kh/eng/ps_defixeddeposit?t= ABA 5.5% https://www.ababank.com…

バコン CBDC(Central Bank Digital Currency)

カンボジアでCBDC(Central Bank Digital Currency)、ブロックチェーンベースの中央銀行デジタル通貨バコンが10月28日より正式運用が開始された。正式運用といえども、以前よりテスト期間として運用されていたので10月28日が形式的な意味合いが強い。 なぜカ…

デジタル人民元 DCEP(Digital Currency Electric Payment)の国際化

2013年以降、中国の貿易に占める割合は米国を抜いて世界一。しかし中国の通貨RMBが国際決済の中で占める割合は非常に低い。RMBを国際通貨とするためには、自由にRMBを売買ができる環境が必要だが、そうすると為替が変動しやすくなる。人民元高となれば国…

中銀デジタル通貨 Central bank digital currency(CBDC)

決済は多く分けて二種類ある。一つはリテール、個人がクレジットカードを使ってネットで買い物をしたり、個人が口座振替でお金を支払い家を買う、現金を使ってお店で買い物をする。もう一つはホールセール、主に銀行間で行われる大口決済。ホールセール決済…

イールド・カーブの逆転

その道のプロに話を聞いたので、理解したことを綴る。 普段は短期金利より、長期金利のほうが高い。なぜなら長期のほうが不確実で見通しが、短期よりたちにくく、 リスクが高いから。しかし今回、米国市場債権市場では、短期金利が長期金利より高くなり、そ…

 習近平の英国訪問と人民元の国際化 

自国に国際金融市場をもつメリットは預金。 預金者が銀行に対して、どこの誰に貸しけるか意見する権利がないように、他国の政府や企業の預金を、どう再投資するかは、その銀行が決めること。イギリスのポンドは国際通貨であったが、米ドルに取って代わられる…

 アベノミクス

久々に日銀の循環統計を見た(2014年第4四半期速報)。二ページ目のフロー、中央銀行の資産で、証券70兆円の増加が見える。また負債側の日銀預金も71兆円とほぼ同額増加している。預金取扱機関(銀行などの金融機関)は証券の保持を39兆減らしている。…

海の時代から陸の時代へ

世界地図を見ると、中国>カザフスタン>ウクライナ>ポーランド>ドイツと中国とドイツの間にある国の数はそれほど多くない。古来モンゴル帝国がこの地域をチンギス・カンが一代で一つにまとめたように、中国からドイツまでは平原で続いており、馬での往来…

 経済学雑感

お金をばらまけば需要が増え、消費が増え、一時的に経済は拡大する。だが、そこには持続性はない。バラマキをするには財源が必要であり、財源には限りがあるからである。単純な話に落とそう。ある島に2つの部族があり、一方は農業を営み野菜をつくり、片方…

国債暴落のとき 其の三 事象

国債暴落とともに、ハイパーインフレが起きることを心配する声があるが、自分は起きないと考える。なぜなら銀行のシステムはインフレになると動かなくなるから。会計勘定が紙の時代と違い、システムは一定以上の桁数を保持することが出来ない、もしくは一定…

 差別化の経済学

外資銀行のフロアレイアウトは支店に入ると、まず手前にカウンターがあり、受付もお客さんも立って対応する。必要がある際には、奥に通され座って対応されることもある。日本の銀行と違って随分効率的だと思っていたが、その本質は効率性ではなく「差別化」…

 通貨 XAU ゴールドカレンシー

ゴールドは市場で取引されても、実際に金塊を受け渡すことはめったにない。そのかわり証書を渡す。それをペーパーゴールドという。ペーパーゴールドを買い取る際は、金の時価総額をUSドルでみて、それを必要に応じて清算通貨に換算し、顧客に証書と引き換え…

国債暴落のとき 其の二 対策

国債暴落の危機は10年前からも囁かれていたるまだ来ていない。暴落とは突然くるものであり、誰かが国債を買い支えている限り起きない。誰がどこまで国債を買い支えるお金、そして意思があるのか。そんな情報は存在しない。存在するのは根拠のない楽観論。…

全銀システムのグローバル化 (zengin global案)

ATMで銀行振込みをする。振込先の銀行、支店名そして口座番号を打込めば即座に、振込先の名前が出てくる。日本では当たり前の風景だが、実はこれは物凄いことだ。相手先の銀行口座情報が、オンラインで確認できれば振込先の名義確認は振込み人ができる。シン…

日本の銀行の生き残る道

ある日の朝、銀行の前に大きなバスが何台か止まっていた。社員全員が出社したころを見計らって総務がおもむろにお立ち上がり「弊行は投資銀行宣言をしますので、どこそこの部署は閉鎖します」と告げ、対象となった社員はバスに強制的に乗車させられた。残っ…

国債暴落のとき 其の一 原因

国債は暴落し、銀行は倒産する。その原因と過程を説明しよう。国債の価格は金利が上がると下落する。例えば100円の額面で5%の利回りなら、1年後に105円となる国債があるとする。ところが国債が5%では売れず、利回り10%で新規に発行されれば、…

日本を救うたった三つの提言 

1. 税金を下げる。 世界を見渡しても、歴史を見渡しても税金を上げて経済が活性化した例はない。ならば税金は下げるしかない。2. 国民IDカードを交付して、政府の効率化をはかる 税金を下げるならば、行政は効率化しなくてはならない。世界で一番、資金…

信用創造による経済拡大は、お金の拡大だけでなく実体経済において売手と買手の信頼関係構築でも達成できる

国際貿易の際、商品が船積みされてから目的地にたどり着き、買手が受け取るまでに時間差がある。その際、いつの時点で買手は売手に代金を支払うべきだろう。売手にしてみれば、お金を受け取るまでの時間が長ければ買手の倒産リスクが大きくなり、買手にして…

勘定での利息金額の旅に見る経済

一ヶ月に一回支払われる利息でも、勘定単位では日々の利息がある。利息額0円から始まり日々積み立て、月末には支払い利息額と同額となる。この日々の利息額積み上げは1)Accrued Interest Payable という勘定で行われ、月末になれば2)Interest Payableに…

華僑はなぜお金持ちか −リスクをとることの重要性

Forbesでフィリピンのお金持ちリストを見ると、お金持ちは中国系か植民地時代からのスペイン系エリートが並んでいる。インドネシア、マレーシアで、タクシーの運転手に豪邸を指差して「誰が住んでいるの?」と聞くと「Chinese」と答える。アジアで最も裕福な…

銀行簿記

自分のお金を他人に貸せば、自分の持金は減る。ところが自分のお金を銀行に貸せば、それは貯金と呼ばれ、自分の持金が減ることにならない。それどころか、銀行も持金を得て、お金の合計金額が増える。この仕組みをマネークリエーションという。会計の観点か…

経済成長とはバランスシートの拡大にともなう信用の増加であり、お金とは信用を数値化したもの

投資銀行は、なぜ500億円の資本金で3000億円の資産(有価証券)を保持できるのだろうか。答えは2500億円のお金を借りているから。株、国債は現金に容易に変えることができ(流動性資産)、担保価値が高い。都市銀行も預金が集まりすぎており、金…

みえないバブル

なぜ日本国債の利率は低いままなのだろう。返せないほど大きな金額の借金をしていると聞くのに。国債はプライマリー・ディーラ(国債市場特別参加者)として名を連ねる少数の金融機関に入札方式で販売される。利率が低い直接の理由はプライマリ・ディーラー…

Inside Money, Outside Money 金融危機の理解の切り口

自分は質問するのが好きだ。ずっと昔、社内で一番偉い人にこう質問した。「どうやって儲けるトレーダーと、そうでないトレーダーを見分けるのですか?」。質問の背景はこう。「その人は誰に、どれだけ、トレードさせるか決めている。もしその人が一番優秀で…

 日本銀行個人・法人口座(案)

自分は「全ての個人、法人が日本銀行に口座を開設すべき」と考える。シンガポール、インドネシアでは国民、永住者が中央銀行に口座を持っている。給料から天引きで積立てを実施し(その分非課税)、その積立金は入院、住宅購入、年金、外国への転居など限ら…

資本の再投資についての一考  A thought on capital re-investment

レーニンは著作「帝国主義論」の中で過剰な資本は国外にその投資先を見つけるため植民地獲得競争(帝国主義の拡大)は不可避だと考えた。実際には資本は第2次世界大戦後のグローバル化のもと、植民地を持たずともその行き先を世界に見出した。結果国内には外…

株券の電子化と証券会社に対する影響 The impact of script less of equity to investment banks

株券の電子化は証券会社、特にバックオフィス業務に大きな影響を与える。一連の証券改革に加え新たなインタフェース構築のための巨額なシステム投資(参加者テスト、ドキュメント管理等も含む)だけではない。株式の電子化後バックオフィス業務は今までの紙…

 バルーン・ローン

高級車(BMWだったかな)の購入資金を若者向けに銀行が融資する際、最初の数年は低金利で後から金利が上がっていくバルーン・ローン形式を導入した。車が担保になる上に若者は年齢を上がるごとに収入が上がるはずだから問題ないという目論見だ。結果この…

A Vision for Bretton Woods Two - Removing systemic risks by reforming to the system based on debit settlement, not credit ブレトンウッズ2への展望  クレジットからデビットへの移行によるシステミックリスク低減

The problem of the current economic system is the systemic risk embedded with credit settlement. To increase demand, each participant pay by credit, which means “I OWE YOU”(IOU). Others can use this IOU as asset, so that the owner of IOU c…

リーマンブラザースの倒産に際して思うこと

松本大氏の著作の中に「ゴールドマンサックス(GS)の上場を前に数十億円の報酬を捨てて起業」という話がある。これを読んだとき松本氏の決断に感銘を受ける同時に「ゴールドマンの経営者はなぜ株式企業にするのだろう」と疑問に思ったことがある。上場す…