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星光部隊

シンガポールや台湾は徴兵がある。徴兵の経験は語る人を饒舌にするだけの非日常性の魅力があるのか 、教えてもらった話を綴る。

シンガポールは国土面積が小さく、国内で軍隊訓練する場所がない。だから海外で行う。例えば空軍はオーストラリアで訓練する。オーストラリアに飛行機を置いとけば、隣国が攻めてきても先制攻撃で飛行機が壊されることもない。陸軍の多くは台湾に来て訓練し、台湾のシンガポール軍部隊を「星光部隊」という。リー・クワンユーと蒋経国の関係が良好だったため、台湾がシンガポール軍を受け入れた。このには軍事同盟的な要素も含んでいると言われている。つまりもし台湾が中国に、シンガポールがマレーシアやインドネシアという、隣国の大国に軍事的侵略を受けた場合は、お互いを助けるということ(アメリカ軍も絡んでくるのだろうが)。台湾もシンガポールも大国の脅威にさらされているという共通点がある。

若いシンガポール男性は台湾に来ると英語と中国語(そして台湾語)ができるということで女性にモテると聞く。訓練がない日は、台湾人の彼女をスクータの後ろに乗せ、街に繰り出す。徴兵期間のうち、多くを過ごす台湾での甘い思い出は、シンガポールの彼女に知られたくない、海外での若い頃のひととき。

台湾は地震や台風、自然災害が多い。星光部隊は、災害時には台湾軍とともに災害援助にも参加する。

シンガポール人にシンガポール軍では演習の勝ち負けはどうするのかと聞いた時、「やっぱり審判との人間関係だよ」と言われたときはガックリきた。台湾人にシンガポール軍との合同演習はどうだったと聞くと、いつも台湾軍が勝つと自慢する。本当かよと思う。

C-3PO」。元はスターウォーズに出てくる金ピカのロボットだが、男性ばかりのシンガポール軍で、男性を好きになるオカマの人たちを呼ぶ隠語。肉体的にきつくない、事務方に回されるという 。その他の隠語として上官によるシゴキをマレー語で「Tekan」。英語だと「pressure」の意味。軍隊も組織であり、様々な人間模様があるのだなと徴兵の話は興味深い。

今回、台湾で演習を終えた星光部隊の装甲車が香港で中国に没収されてしまった。商業貨物で軍事兵器を輸送していたことに驚いたが、中国から星光部隊を止めろという強いメッセージが伝えられた。1)フィリピンがドゥテルテ以後、米軍と関係が疎遠となり(後、米軍撤退、中国軍駐留)、2)星光部隊が台湾での活動を終了し、3)シンガポール軍が海南島で軍事演習に参加、4)シンガポールに米軍とともに中国軍が駐留し(後、米軍撤退)、5)沖縄の米軍縮小すれば(後、撤退)、6)中国が台湾のミサイル攻撃抑止力を装備する(中国版THAAD)、これら6項目は自分が思いつく、台湾が中国に接収される軍事面での条件。

シンガポールは一貫して台湾の独立に反対しており、陳水扁総統の時、2004年陳唐山氏(蓮舫氏の縁戚)がシンガポールを侮辱したことに見られるように台湾民進党シンガポールの関係は国民党より疎遠。中国との関係を考慮して今後、星光部隊はオーストラリアに移っていくのではないか。もしくは中国の海南島シンガポール軍が軍事演習をすれば、それは台湾海峡問題にとって米国の影響力が大きく後退した、一つの象徴となるのではないか。だからこそ安倍首相はシンガポールとの関係を重視し、繋ぎ止めるために、リー・クワンユー首相やナザン元大統領の葬儀に参加し、トニー・タン現大統領を国賓として天皇陛下の晩餐に迎えているのではないだろうか。

参考:
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E6%98%9F%E5%85%89%E9%83%A8%E9%9A%8A
https://www.youtube.com/watch?v=3-TWZaxw_9M
https://zh.wikipedia.org/wiki/%E9%99%B3%E5%94%90%E5%B1%B1