Get Things Right

My English blog is here http://getthingsright.blogspot.com/

不動産投資

自分のはじめての不動産投資がカンボジア

 

不動産は株や定期預金と比べ、 現金に変えることが難しい。また一回の投資額も大きなものになりがちでリスク分散が難しい。とは言ってもカンボジアの不動産は先進国と比べればまだ比較的安価だ。

 

購入する前は ロケーションや、価格にばかり目が行くが、購入後の住みやすさ、住居者の安全が確保されているか等の考慮も大事。住居は身近かな商品だが、同時に高い専門性が必要とされる。不動産は投資としては難しい部類に入ると購入後に実感している。

 

考慮すべき重要点として、数え上げればキリがないが、例えば

 

火災について:

 

火災が起きた際、避難経路は複数あるか

火災探知機はついて設置されているか

煙を遮断するための扉はあるか

消火器は設置されているか(よく煙を遮断する扉を開けために使用されるー笑)

 

エレベーターについて

 

ゴミの運搬と住民の導線は隔離されているか 

大きな家具などを運び込む際の導線は確保されているか

緊急連絡先はいつも通じるか

定期的に 安全点検されているか

 

上記項目は、設計段階で考慮が必要なもの、物件を受け渡した後に、 マネージメント会社の日々のオペレーションで対応するものなど、長期的な計画‧実行が必要だ。

 

初めて売買契約書(Sale Purchase Agreement -SPA)を見たとき、長々と購入後のことが書かれていことに驚いた。具体的には、 建物の美観を損なう外観変更の禁止(外側だけでなく通路側も含む)。 不動産購入者で構成される委員会の運営方法、そして意思決定の方法。 共用施設の保全の仕方。購入者、一人一人が不動産価値を守るために必要な責任を事細かく規定している。

 

外国人が購入する物件はオーナーの国籍も多様になる。上記のような詳細を売買契約書で明確にし、長期に渡り不動産価値を保全することに必要な項目について一律に購入者に合意させておくことは重要なことだ。問題が起きた際は、よりどこりになる事前合意文書が必要となるからだ。

 

購入前

 

自分は不動産購入をする際、カンボジアに来ずに不動産購入を決めた。たとえ短期的にカンボジアに滞在しても、初めての都市はどこが中心地かよくわからない。中心といってもビジネスの中心、 ショッピングの中心、 高級住宅街の中心と定義を先にしないと、いくらでも中心と呼ばれる場所ができる。ちなみにプノンペンバンコク、東京都の中心といえば王宮、皇居になるだろう。だが王宮、皇居の周りが一番、住み良い街かというとそうではない場合もある。

 

また購入前には認識していなかったが、リスクとして一番大きいのは開発事業者が、建物を最後まで完成させるのかどうか否か。開発業者の資金基盤が弱く、銀行から借りれがないと、もしくは購入者から入金がないと、建設業者に支払いができないような状況だと工事が頓挫することは避けられない。支払いを済ませている購入者にとっては物件が完成しないなど言語道断だが、上場会社で財務諸表を開示してる会社でもなければ、個人で会社の財務状況を購入前に確認することは難しい。

 

売買契約書のサイン

 

契約書は公証人を入れてサインをした。初めての公証制度(Notary)。自分は台湾の公証人を使用し、台湾では役所が契約書の一部を保管する。売手が合意するなら、契約書上で裁判管轄を日本やシンガポール等の海外にすることができる。

 

引渡し

 

引渡し後に問題がないか確認する必要がある。洗濯機を設置して使ってみたら、蛇口の根本から水漏れがしたりと、実際に使ってみないとわからない点が多い。また所有権の観点から見れば、鍵をもらい、引渡し完了後も購入者の所有権が確定したわけではない。ハードタイトルという権利書を手にするまでは、物件を買ったという証拠は販売会社と交わした売買契約のみだ。契約当事者の販売会社は倒産や資産を譲渡するができるのだから、早期にハードタイトルを取得して、権利を確定することが必要だ。

 

購入後

 

考えても仕方のないことかもしれないが、カンボジアは新しい建物をどんどん建設されている。都市が発展していくことは嬉しいことだが、運が悪ければ景観を遮る形で隣にビルが立つ可能性もある。新しい道路や高架、橋も日々つくられ、人と交通の流れも刻々と変わっていく。都市計画に関する文書は公開されているが、それでも購入物件に与える影響を見通すことは難しい。

 

様々な考慮すべき点を書いてきたが、最後に不動産投資の魅力を述べたい。不動産投資は形が見える投資だ。建設工事が止まっている時期には、よく工事現場を通るルートを散歩した。心配で足が勝手にそちらに向くのだ。建物から光がチラッと見えたりすると「工事再開したのか!それとも幻覚か!」など一喜一憂した。債券投資などの所有は所詮画面上での数字であるため、一日の歩数が増えたりすることはない。不動産は実際に貸出したり、住んでみたりと活用できる、より身近に「所有」を実感するできる特別な投資だと考える。