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宇宙を制するものは世界を制する  その2

2015年1月にイーロンマスクがシアトルで「インターネットを宇宙上に、作り替えることになるだろうit will be like rebuilding the Internet, in space.」と述べた。2023年度から振り返り、この発言の重大さに気づいている人はまだ少ないのではないかと思い解説する。

(参考リンク)

https://www.geekwire.com/2015/elon-musk-plans-get-mars-via-seattle-spacex-founder-said-private-event/

 

インターネットは海底ケーブルで繋がれており、海底ケーブルは光ファイバーでできている。光ファイバーの中心にはガラスでできており、その中を光が通り通信を行う。ガラスの中を通る光は、進むにつれて暗くなってしまうので、太平洋横断など長距離の場合、増幅器(リピーター)を介して光を増幅する必要がある。数十、数百のリピータを通って、移動する光の移動速度は遅くなる。また光はガラスの中で屈折するのでその屈折がさらに光の速度を遅くする。

 

光は真空の中でこそ、光の速さで移動する。イーロンマスク氏は物理の原則から考え、

「宇宙(真空)での光の速度は光ファイバー内での光の速度よりも速い。だから長距離インターネットは衛星間のレーザ通信の方が速くなる」と宇宙空間での通信の未来における優位性を見通した。ビジネスの商機を物理原則から考え、ビジネスを構築、軌道に乗せるイーロンマスク氏のスケールの大きさ、天才ぶりに改めて驚かされる。

 

イーロンマスク氏のスペースX社を通じて長距離通信が海底ケーブルから宇宙に移行することは副次的にA Iビジネスにも大きな影響を与えると自分は考える。通信データを使ってリアルタイムにA Iを学習させることができれば、A Iの賢さは学習に使われるデータ量に依存し、また使い勝手の良さはリアルタイム性に依存するため最高のA Iができるのではないか。

 

スペースX社はすでにブロードバンド事業を軌道に乗せており、またアメリカ大手の通信会社Tモバイルと一緒に、近未来に直接携帯との通信も行えるサービスも発表している。アマゾンはプロジェクトKuiperを発表し同様のブロードバンドを計画しており、長期的には競争が促され、技術革新が更に加速していくと考える。