Get Things Right

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読書

殺戮荒野(Killing Field)からの生存 コン‧ボーン著

著者のコン・ボーン氏が共同通信社のプノンペン支社で働いているときに、AK47という中国製のライフルを中心とした軽装備の赤色クーメルが、アメリカ製の重装備を備えるロン‧ノル軍を破り、プノンペンに入城した。共同通信支局があったラ‧プノン‧ホテル(旧…

玄奘三蔵

629年(28歳?)にインドに向かい、3年後ナーランダ寺院(1万人が滞在し、最多で1500人の教師がいたという)に到着した玄奘は、16年後の645年(44歳?)に、657部の経典や仏像(運ぶのに馬22頭必要)とともに唐の長安に戻ってきた。 経典の翻訳…

二人の李氏 李登輝とリー・クァンユー(李光耀)

客家の原像という新書によれば、彼らの源流は客家にある。李氏の族譜は中国古代の五帝の一人、少昊の後裔の理征にさかのぼる。理征は司法を担当していたが、裁判で手心を加えることを拒んだために殺され、妻は追われる身となり、すもも(李)を食べて生きな…

世俗的価値と非世俗的価値 という対立する視点

ソクラテスは名声、富など世俗的な価値を追い求めるには権力に近づくことだという(ゴルギアス)。独裁国家なら 権力者におもねり、おべっかをつかう。独裁者は通常、邪悪なので邪悪さを真似、同様に邪悪になる必要がある。一方、民主主義においては、一人の…

新約聖書 その3 学び 

聖書を読む前に、2つの疑問があった。一つは李登輝前総統が指導者の条件として「信仰心」を挙げ、李登輝自身も理屈っぽい性格のため、信仰心を持つのに苦労したという。なぜ彼は信仰を求めたのか。 もう一つはなぜ奇跡など、合理的と思えないことが書かれて…

新約聖書 その弐 誰が救われるのか

「教会 に行かないとどうなるの?」と子どもが親に尋ねる。「決まってるじゃないか、天国に行けずに地獄に落ちてしまうんだよ」と親が答える。上記の会話はありえると思う。しかし世界観の浅はかさは免れない。自分は答を知っているとし、相手に恐怖を与え、…

新約聖書 その一 事始め

イエスが生きていた時代、ユダヤ人はローマ人という強大な力を持つ異教徒の支配下にあった。民族に栄光を与えるはずの神は、ユダヤ民族が支配されている現実を前に動かない。神が動くには条件が満たされる必要があり、その条件とは何であり、また神は誰を救…

旧約聖書

初めて聖書というものを読んだ。まずは旧約聖書から。 西洋というものを理解したい。西洋文明の強さはなぜか。その強さの源が聖書(旧約)を通して垣間見たと思うので、書き留める。全知全能の神がいると仮定する。すべてを知り、すべてを司る。ではなぜ、モ…

 稲盛和夫の実学 経営と会計

航空産業は畑違いにかかわらず、多くの著名人が予測していた、JALの2次破綻を回避させ、80歳を目前としてJALの過去最高の収益を実現させた。京セラ、KDDIを創業し、実績の上では文句なしの大経営者の稲盛氏。昔、会計の勉強をしているときに読んだ「稲盛…

 五輪書 宮本武蔵

日本の兵法古典「五輪書」は予想以上のものだった。結論は中国の兵法古典と同じく「とらわれない」。武蔵はそれを「空」と表現している。すべての状況を包み込む、法則がありえるのならばそれは「空」もしくは「無限」しかない。中国の兵法が集団対集団を想…

 孟子と荀子

孟子と荀子は同じ「儒家」に分類されるが、孟子は性善説、荀子は性悪説と人間に対する前提が正反対だ。中国古典を読んでいて思うのは儒家、老家、法家などの諸子百家の思想はお互いに競い合っただけあって、前提や結論がそれぞれ異なる。しかしそのすべてが…

 プロセッサを支える技術 果てしなくスピードを追求する世界

名著だ。初めにパイプラインを説明し、プロセッサは流れ作業で命令を実行することをイメージさせ、それから命令アーキテクチャを説明し、命令を流し込む過程において、リソース(演算器、キャッシュ等)の有効活用のため、どうアーキテクチャが発展してきた…

  臨機応変

中国の代表的兵法古典、武経七書(孫子、呉子、尉繚子、六韜、三略、司馬法、李衛公問対)を読んでみた感想を徒然に語る。「孫子」は高みを極めている。考えたのは、紀元前500年の春秋時代という大昔に書かれたものが、なぜ後世の兵法書より優れているのだろ…

孫ピン兵法

孫氏の兵法書は2つある。ひとつは春秋時代の呉の国で活躍した孫武のものと、もう一つは時代が下り戦国時代の斉の国で活躍した、孫臏のもの。 孫武の兵法の完成度に感銘をうけ、それより時代の下った孫臏の兵法はどんなものだろうと読んでみた。 読後考えたこ…

 道家 (老子、列子、荘子)

孔子は常に人間の視点に立つ。聖人の徳をもって人を教化し、世の中を良くしていく。人間努力の世界。道家は宇宙的視点(道)で物をみる。宇宙的視点からすれば、人間努力はどれほどのものだろうか。道家の超越的視点には、現代科学との共通部分が多く驚かさ…

 兵家と法家

論語(儒家)につられ、孫氏・呉氏(兵家)と韓非子(法家)も読んでみた。両者とも面白い。中国古典がこんなに面白いものだとは知らなかった。興奮冷めやらぬ前に、徒然と感想を書いてみる。孫子の兵法は理路整然。「自分の強いところで相手の弱いところを…

 国際会計基準戦争  磯山友幸

会計基準は「利益」の定義に影響する。利益に影響すれば、税金、企業のあり方にもかかわる非常に重要なテーマだ。株式交換など、企業買収には株式が使用されれば、株式は「通貨」同様な役割を果たし、その株式の価値は会計基準に大きく依存する。会計基準の…

  プログラミングのための線形代数 平岡 和幸著

本を読んでいて行列の掛け算ABを見たら、頭の中で「ガチャ、ガチャ」と行列Bを左90度倒してAに(写像のため)入力していくイメージが自然と浮かんだ。行列は写像だ、写像だ、写像。。。。と頭にこだまする この本のおかげで読める本が広まった。ありがとう。…

  ルワンダ中央銀行総裁日記

大学生のときに読み10年ぶりに再読。改めて驚くのは著者服部 正也(故)の優秀さ。 語学はフランス語、英語ともに抜群であることが読んで取れる。だがそれ以上にルワンダの人々、通貨基金の人々を説得させる上での論理が明瞭、簡潔で且つ礼節への配慮に富む…

 ファイナンス理論は役に立つのか 野口悠紀雄 証券レビュ 第47巻第11号

「なぜ16世紀を境にヨーロッパは他の地域に対して圧倒的な優位に立てたのか」。この問いに答えを与えているすごい論考。それは工学的技術の優位を源泉とするのではなく、分散投資、保険、株式会社(東インド会社)とリスクを取るためのファイナンス技術が発…

ウェブは資本主義を超える

インターネットといえばブラウザと直結させて考えていたが、IPネットワーク網が根底にありその上にFTPサービス(ファイル転送サービス)、Telentサービス(リモートログイン)、P2P(ファイル交換)、Webサービス等が数十年の内に展開されてきたのが実…

希望のしくみ

「未来が不確定だから希望というものはありえる」等と深い洞察力から生まれる言葉が随所にちりばめられていて面白い。司馬遼太郎がお釈迦様は天才といっていた意味が分かった気がした。不安も同じことか。未来が確定的なら不安は存在しえない。個人的なこと…

 なぜ株式投資はもうからないのか 保田 隆明 (著)

図解 株式市場とM&Aを読んでからのファンでありはM&Aや株式のことについて分かりやすくブログで語られている人が書いた本。前半部は機関投資家に対して個人投資家負っているハンディについての記述。後半はITがもたらす個人投資家のempowermentの可能性、…

Javaスレッド完全制覇

Javaスレッド完全制覇 (標準プログラマーライブラリ)を読了。アマゾンのコメントにもあるように読みやすかった。こんな感じでストレスを感じず本がいつも読めたらいいね。 実務でスレッドのプログラムを組んだことはないが、マルチスレッドプログラムについ…