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 北京、泰山、曲阜、済南、天津 その1

ここ数ヶ月はよく中国の古典を読んだので、泰山に登り孔子の故郷、曲阜に行ってきた。

北京南駅から新幹線(动车)に朝9時に乗り、バスとケーブルカーを使って泰山に登り、そのまま白タクを使って、夕方には曲阜に到着。

北京は歴史もあり、繁華街も大きく真の国際都市となる魅力がある。道も片道6車線など、都市インフラが非常によく整備されていることに驚いた。住んでみたい。

行きの飛行機で隣に座った人は、天津の政府関係者の方だった。天津はシンガポールと同様、港町なのでシンガポールから学べるという。より持続可能な経済成長にはどうすべきか、ということを天津は考えていると教えてくれた。

北京空港のターミナル3は大きくて美しい。オリンピック前にできたと聞く。入国手続きの外国人ゲートには長い列ができていた。人の並んでいない中国人ゲートを羨ましく眺めていたら「台湾人不用,不用」と女性が台湾人を中国人のゲートに誘導していた。後で聞くと、台湾人は中国人ゲートだがビザは必要だそうだ。また扱いも外国人で、車のナンバープレートも外国人用の黒色をあてがわれるという。

泰山は、北京と対照的に発展途上国的なところがある。人も車も多い。街自体は綺麗ではない。山は霧が濃く、風が吹き付けると白い霧が下から上に吹き付けとても神秘的な風景だ。

曲阜は城壁に囲まれた、非常に美しい町。ヨーロッパの町並みに匹敵すると思う。孔林(孔子とその祖先のお墓)、孔廟(孔子が教えたところで、いまは祭ってある場所)、孔府(孔子の祖先が貴族となり、曲阜の地方政治を行なっていた家)がある。曲阜人口の20%は孔子の子孫で、名前も例えば孔凡賢とすると、孔は孔家、凡は孔子から数えて74代目(違う代かも)など非常に血筋を尊んでいる。そのプライドが町を美しく保っているのではないかと思うと嬉しい。孔廟には日本語を含め、各国の言葉を話せるガイドがいる。直系の子孫は衍聖公(えんせいこう)と呼ばれ、台湾にいる。門をくぐるときには、男性は左足から、女性は右足からが礼儀。また孔廟には石版があるのだが、石版を壊すのは秦の始皇帝毛沢東だけです等々、色々と教えてもらえる。

日本の皇室、神武天皇の時代は紀元前660年とされる。それと同時期、紀元前500年頃から脈々と続く、孔家は考えてみると、強大な武力を持ったことはないのではないか。もちろん王家や皇帝にもなっていない。それにも関わらず、紀元前から現代に到るまで「家」を受け継いできた。史記を書いた司馬遷孔子が亡くなって300年経た後、同じ地を踏み、礼が実践さていることをみて感激し立ち去り難かったという。それからさらに2000年以上経た後、同じ場所に立ち、「孔家」が存続していたことに驚く自分がいる。思想の影響力に圧倒される思いだ。

参考
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%94%E5%AD%90
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A1%8D%E8%81%96%E5%85%AC

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