グーグルの終焉 The demise of Google with the network topology changing from star shape to mesh shape when network resource becomes relatively scarce compared to CPU processing power and storage
コンピュータを考えるときに重要な要素は、1)演算をつかさどるCPU、2)データを保持するストレージ、3)データを伝送するネットワークの3つ。
この3つの要素でどの要素が一番希少かでコンピュータの使用方法(トポロジー)が変わってくる。
1),2),3)のうち、1)CPUがもっとも希少性が高ければCPUを真ん中においてネットワークを通じてみんなでシェアすることが合理的である。コンピュータのトポロジーは真ん中にひとつ演算を担当するノード(node,節)があり、そのノードに放射線上(star shape)に演算を受け取るノード(端末)が繋がっている。
グーグルはまさにこのstar shapeの真ん中に位置してデータ保持とデータ演算を担当しWeb Browserを通じてグーグルに接続してきている端末に演算処理の結果を返している。
ここで以下の疑問がでてくる。イ)演算処理リソースがもっとも希少性が高いのだろか?ロ)ネットワークの希少性はどうなのだろうか?
イ) 演算処理リソースの希少性に関しては自分たちのPCにも実は高速に演算できるCPUが積まれている。CPUの性能のマルチコアという新しい概念を迎えとどまるところを知らない。またその先には量子コンピュータという技術革新が待っている。よって演算処理リソースの希少性が高いとはいえない。
ロ) ネットワークの希少性。アメリカにあると思われるyahoo.comのサーバにpingコマンドというネットワークコマンドを打つと150ms(ミリセカンド)で返答が帰ってくる。これは光の速さに近いのではないだろうか。実感としては瞬く間に返答が帰ってくる。データの伝送のスピードは光の速さという物理的制約を超えることはできない。既に伝送スピードが光の速さに近いとすれば後はBand widthを広げていくほかない。よってネットワークの希少性は高い。
以上から導かれる新しい条件。3)ネットワークの希少性が高く、1)演算リソースと2)ストレージが潤沢にある場合、コンピュータのトポロジーはどのようなものが適当であろうか?
グーグルのように中央集権的に中心点に情報が集中するのではなく、情報伝達のコストをできるだけ下げるため各ノードは近い距離に存在するノードと接続し、結果として網の目(mesh shape)の形になる。データはストレージのコストが低いためキャッシュ(Cache)としていたるところに存在し、データを伝送する際は潤沢にある演算リソースを使用して圧縮してからデータを伝送する。つまり金子勇氏が作ったWinnyのようなP2P(ピアツーピア)の形だ。
テキスト情報のやり取り想定しているHTTPプロトコルの使用を前提として、IPネットワーク上にて中央集権的なネットワークトポロジー構築し、computation powerを提供するグーグルは端末として使われているPCの演算処理能力とストレージのリソースを無駄にしている。(google desktop等のインストールして使うツール郡は除く)
IP6上に新しく構築されるネットワークトポロジーが今後どのような形になるにしろ、その新しいネットワークに君臨する次のグーグルは日本から生まれないだろう。社会を変革するだけの大きなイノーベションは新しいことをチャレンジしやすい(リスクを取りやすい)環境が必要だからだ。
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- 作者: 金子勇,アスキー書籍編集部
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