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[経済]サブプライム問題と金融雑感

Subはsubmarine(潜水艦)から分かるように「下」を意味する接頭語(prefix)。新聞を騒がしている今話題のサブプライム問題は、米国における低所得者を対象とした住宅ローン債権が焦げ付いて回収できなくなっていることに起因している。(不良債権化)

住宅ローンは住宅が担保になっているはずだが住宅の担保価値が貸出金額を下回れば住宅を差し押さえても債権は回収できない。住宅を担保に住宅ローンとしてお金を貸し出すことは広く昔から銀行によって行われおり、過去にも同様な不良債権問題が日本でも起きている。歴史は繰り返し、歴史から学ぶことができない。金融という仕組みには何か無理な前提が紛れ込んでいるのだろうか。

不動産、債権等を担保に貸出しを繰り返し、市中に流れるお金の量を増やすことは需要、供給曲線で考えれば、需要曲線を右にシフトさせる役割を担っている。(credit expansion)
言い換えれば金融はより高い国内総生産(消費量)での均衡点を見出すため、需要を喚起する役割を担っている。

世界の経済成長に伴いより多くの工場をもつ(供給曲線が右にシフト)昨今、より多くの需要を喚起することは多くの財が価格について下方硬直性を持つことを踏まえれば、失業率を抑えるためにも経済にとって重要なことだ。

ではその需要曲線を右にシフトさせる役割を、金融機関を中心とするcredit expansionに頼ることが一番の方法なのだろうか?Credit Expansionは資金の還流の観点からすれば担保価値を通して増殖していくためフィードバック増幅器の役割が強すぎる。そのフィードバック(原因に対しての反作用)が強すぎるため、いとも簡単に担保価値下落が与信許容範囲をこえ、結果としてサブプライム問題が生じたのではないだろうか。

いいかえるとシステムが非線形的であり「やってみないとわからない」状況なのに、現実より先に自分で許容範囲をきめ、「リスクを管理している」と思っていることが問題なのではないだろうかと考える。

より価値を生み出す主体に無から生まれた資金がインフレを起こさない程度に自律的に、且つ公平に還流する仕組みは作り出せないだろうか。その資金が価値を生まなかった場合は自動的に消滅するような。