Get Things Right

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リーマンブラザースの倒産に際して思うこと

松本大氏の著作の中に「ゴールドマンサックス(GS)の上場を前に数十億円の報酬を捨てて起業」という話がある。これを読んだとき松本氏の決断に感銘を受ける同時に「ゴールドマンの経営者はなぜ株式企業にするのだろう」と疑問に思ったことがある。

上場するとは株式という所有権を一般の人に売ってお金を得ること。投資銀行の多くは歴史が長い。本当に儲かるな仕事なら過去(GSが100年以上)そうであったように、私的企業の形で利益をパートナー間で分配したらいいのに。なぜ売ったのだろう。

それは「売ったほうが儲かるから」にほかならない。リスクは管理できるものではなく、投資銀行業務(借金して投資する)は本質的に持続可能なものではなく、何十年に一度は多額の借金を抱えて倒産の危機を迎える。そのためパートナー達は未来のリスクに満ちた利益ではなく、そのとき上場によって得るお金を選択することが合理的な判断となる。

パートナー達は上場によって数十億円の報酬を手にし、株主は10年以内に紙切れとなる株券を手に入れる。市場は非効率、つまり情報の非対称性が存在することで利益を上げる投資銀行の真骨頂がそこにある。

Reference:
http://en.wikipedia.org/wiki/Goldman_Sachs

私の仕事術 (講談社+α文庫)

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