Get Things Right

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Inside Money, Outside Money 金融危機の理解の切り口

自分は質問するのが好きだ。

ずっと昔、社内で一番偉い人にこう質問した。「どうやって儲けるトレーダーと、そうでないトレーダーを見分けるのですか?」。質問の背景はこう。「その人は誰に、どれだけ、トレードさせるか決めている。もしその人が一番優秀で、儲ける方法を一番よく知っているなら、その人がトレードをして会社に貢献すればいい。知らないのなら、いったいどうやって儲ける人を判断するのか」。

答えは「分からない。だから(商品・ストラテージ等で)デスクを分散させる」とのこと。儲ける方法が分からない。だからポートフォリオで考える。至極当然だ。儲ける方法を知っているのなら、その人が自分で儲ければ良いのだから。こんな経験があるため、日系銀行が「ノウハウの吸収」のためと言い、資金を外資系金融に注入したのには驚いた。本当にノウハウの為なら、人を雇えばいいのにと。

何に投資して良いか分からない。(分かっていたら自分がする)
→だから、分散投資ポートフォリオで考える)
→結果、サブプライムにも投資する
→そして、サブプライムが紙くずになったためポートフォリオが傷つく。

ということかな。オーストラリア、スペインの銀行はサブプライムの損失が少ない。ポートフォリオサブプライムを入れてなかったからか。

経済用語でInside money, Outside money という概念がある。両方とも信用創造の結果、生まれるお金だが、前者は借金返済などで、短期的に経済の還流から消滅し、長期にわったっての影響は持続しない。後者はいつまでたっても消滅せず(経済の中を還流し続け)、新しい長期的均衡点を作る。結果、実態経済を拡大させる。この両者の違いは結果論である。いつ信用が解消されるのかという。資本主義経済を「チキンレース」、もしくは「ねずみ講」と見るのもOutside moneyの割合を増加させよう(保とう)とする、投資活動の一面を切り取ったもの見方に過ぎない。本当に解消されない信用は、実態経済に根ざし「価値」を担保に生まれる。だから中国を初めとし、発展途上国の経済発展を世界は歓迎する。

Reference:

質問する力 (文春文庫)

質問する力 (文春文庫)