Get Things Right

My English blog is here http://getthingsright.blogspot.com/

 人間理解 其の一  自己顕示欲

iPad2がようやく届いた。それを見て娘「すごいね!おめでとう!」。そして息子「全然、そんなの凄くない!」。

上記の例が示すように、男性は女性より競争心が強い。それはしばしば強い自己顕示欲につながる。「自分はすごい」、「自分は勝っている」など。自己顕示欲の強さは、生まれもったものの要因が強い。だから人の運命は生まれたときから、定まっていると言えなくはない。強すぎる自己顕示欲が、限りなく自己認識を肥大させ、破滅的にしか生きられない人もいれば、時流に流されて手に負えなくなるまでに自己認識を肥大させ、破滅に到る人もいる。

強い自己顕示欲はその方向が重要だ。偉大な科学的真理の発見や優れた製品・サービスを提供する企業設立など、人類に対する貢献に向かうものから、ただひたすら自分の持っているものを他人に見せびらかすものまで、その方向性は千差万別。企業設立の場合、自身の実現能力が足りなければ、他人を巻き込んで不幸をもたらす。だから強い自己顕示欲を持つ人ほど、世間の賛同を強固にし、衆知を束ね、実現能力を高めるため「Greater Good」といえる他人と共有できる目標を持つことが重要といえる。それは人々に幸福を抱かせる過程。世間の人々が望むものと、自己が望むものの方向が同じであれば、自己顕示欲の強さは優位の源泉となる。

司馬遷の書いた「史記」に「士は己を知る者のために死し、女は己を説(よろこ)ぶ者のために容(かたちづく)る」(士為知己者死、女為説己者容)とある。自己顕示欲そのものは、本性といえる。問題はそれを「どの方向に向けるか」という意思だ。他人(もしくは世間)の発奮が期待されるのならそれを他人(世間)に直接向けても良いと思う。反発が予想されるのなら、「Greater Good」の構築が必要だ。他人も共有できるような理想。そしてそれに関わるだけで自分の自己顕示欲が満たされるようなものが望ましい。

参考

史記〈6〉歴史の底流 (徳間文庫)

史記〈6〉歴史の底流 (徳間文庫)