Get Things Right

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calligraphy

calligraphy = beautiful handwriting の意味。時には書道とも訳される。

先日奥さんのドイツ人の友人が来日した。彼女はイギリスの大学を卒業し、イギリスでつい最近まで働いていた。彼女が言うにはドイツの就職活動は所定の履歴書に手書きで学歴から記入し、会社に郵送することから始まるそうだ。日本と同じだ。採用担当者は履歴書に書かれている筆跡を通じてアルファベットの点が跳ねてないか、止めるところをキチンと止めているかを調べ、応募者の性格を推測するという。点が跳ねていればズボラナ性格と見られるわけだ。

またドイツではなく、イギリスの大学を卒業しているためドイツでの就職活動で白い目でみられるという。話を聞いて日本の就職活動にあまりに状況が似ていて驚いてしまった。

自分が働くシンガポールの会社でも新しい人が入社するたびに、「何々大学を卒業したなんとかさんが入社します」と社内メールが飛び交う。30も過ぎた中途採用でも、異国の聞いたことがない大学を出ている人でも、名前の前に大学名がついて紹介文が回覧される。

東京で欧米の会社を受けた際、履歴書は自由フォーマット。もちろん手書きではなくタイピング。昔卒業した大学からではなく、自分が応募している職種に適した職歴をもっていることが分かるように直近の職歴から書いたものをメールに添付してヘッドハンターに送った。結果いくどの面接を経て2週間程度で内定をもらえた。採用プロセスの際一貫して焦点となりえたのは自分が入社してやっていけるかどうか。対人能力も含め仕事の能力であった。

結局アングロ・サクソン(米・英の意味。ドイツはゲルマンだからはいらない)の会社がグローバル競争で強いといわれるのはより理性的だからではないか。その理性は特に人事・採用システムにおいて顕著だ。

日本企業の採用試験では性格判断テスト(最初の会社ではこれが一番重視されていた)、IQテスト、はたまた血液型が考慮されることがある。筆跡の美醜も定型の履歴書に職歴の欄が小さいところ鑑みて無視できない影響を持つのではないだろうか(ドイツの定型の履歴書も職歴欄が小さいと聞いた)。翻って欧米の会社はよくインターンを受け入れ、採用前に実際に会社で働いてもらうことがある。

経済の新陳代謝とともにより理性的な会社だけが生き残っていくと将来を想定すれば、少しでもことは採用プロセスを理性的・合理的なものへと変革する努力が欠かせない。どこの会社も意味のないミーティング、権威と過去の経験だけで判断する意思決定など日常の小さな一幕だが改善できる点はたくさんある。