イスラム銀行

イスラム銀行って何が普通の銀行と違うの？先日会社の茶飲み場でディスカッションをした。会社にはモスリムの人やドバイで働いていた人がいる。イスラム銀行はまだあまりパッケージ化されたソフトが導入されてなく、お金持ちになるチャンスだと同僚がけしかけてくる。

イスラム銀行には金利がない。お金がお金を生み出すことを宗教が禁じているからだ。イスラム銀行は預金者から集めたお金を事業に投資し、成功した分だけを預金者に返す。だから預金者の利益が将来いくらになるか知る由がない。イスラム銀行は小額しか持たない人々にも投資機会を与え、富の偏在を防ぐ役割を期待されている。

銀行からお金を借りて車を買う場合は一度銀行が車を買い取り、手数料を上乗せした形で利用者に請求する。その際利用者は分割してお金を銀行に支払うことができる。この場合銀行が受け取る収益は手数料と定義される。お金がお金を生み出す金利ではなく、あくまで車の売買に対する手数料とみなす。日本の都市銀行に勤めていたときによく聞いた掛け声、「収益を金利から手数料へ」を思い出した。

銀行なのにマネーマーケット（銀行間で日々の帳尻を合わせるための超短期融資市場）に参加できないのかと聞くと、多くのイスラム銀行は普通の銀行の一部門だから問題ではないとの答え。

お金がお金を生み出す金利からの決別と富の分配に対する配慮をもつイスラム金融は、現代資本主義に対する明確なアンチテーゼだ。

富の増大を主眼に置く資本主義とイスラム金融。長期的にはどちらが持続可能なシステムなのだろうか。どちらも対立する概念として捉えられるのではなく、補完しあえるものと認識されていけば文明の衝突のような文脈で語られる余計な対立を避けるができる。

金利のないイスラム銀行。その試みは近代に入って始まったばかりだ。

Reference:
http://ja.wikipedia.org/wiki/イスラム銀行