グローバル決済システムの理解
グローバルな通貨・証券決済の理解の鍵。それは通貨・証券は国外に出ないこと。たとえば日本国債を外国人が買ったとしても、証券証書を鞄に入れて海外に持ち出さない限り日本に留まる。通貨も同じこと。日本円を海外に持ち出しても日本円は日本でしか使えない。
外国債券決済のベテランにユーロクリアの仕組みを教えてもらったときに最初に言われたこと。証券、通貨は“物理的には”国境を越えない。このことを理解することによりカストディ業務(代理保管、管理業務)が見えてきた。お互いに口座を持ち合い、口座管理権の連鎖を通してマネーは世界を駆け巡る。
先日シンガポール人の同僚に「シンガポールは小さいから防衛に向いてないのでは」と話を向けると「たとえシンガポール領土が占領されても国富は外貨のReserveで海外にある。武力で占領した場合、ノストロ(nostro)口座当該国は占領した国に口座の支配権を渡さないから国富は占領軍には渡らない」との答えが返ってきた。
彼はビジネスから最も離れた一介のITインフラ部門の人間だ。橘玲の本を読んで日本の金融機関のレベルを推し量る話が出てきたとき上記会話の意味、金融で生きていくことを是としているシンガポールの強みを垣間見た。
Reference:
- 作者: 橘玲
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2008/03/07
- メディア: 単行本
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