Get Things Right

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WBC日本代表優勝と日本人としてのアイデンティティ

4歳になる子供が「だって日本人だもん」とふと言った。「何で日本人なの?」聞くと「日本語を喋るから」との答え。2歳で異国に渡り現地の幼稚園を通っている娘は自分が日本人であることの理由を「日本語」に見出している。

アイデンティティは日々の小さな経験の積み重ねによって外枠を固めるかのように形成されるものだと思う。キリスト教なら日々教会にミサに行くこと。イスラム教なら厳しい戒律を周囲の人と一緒になって守ることで宗教信仰が強化されるように。サッカーや野球で日本代表を応援し感情を揺れ動かす。意識せずとも日本人としてのアイデンティティが強化される機会だ。

日本語のコンテンツは子供が夢中になれるものに恵まれている。NHKの教育番組、宮崎駿の映画、小島よしおの「オッパピーでもそんなの関係ねぇ!」などなど。日本の文化・サブカルチャーは娘にとって日本語との繋がり、しいては日本人としてのアイデンティティを保つ大切な鎖。

先日オーストラリアを旅行した。驚いたのがアメリカのローカルな朝の番組をそのまま流れていたこと。米国のホームランドセキュリティといってアフガンに出兵するのも分かる気がする。国旗にイギリスの国旗が刻まれていることやアボリジニーの先住権が議論の対象となったりするオーストラリアはまだ国が若く、アイデンティティの模索途中にある。

タイは華人と現地人との融合が東南アジアの中で進んでいる国だ。潮州人がタイの王国を助けた歴史があるため差別が少ないからだろう。逆にマレーシアに住む華人はマレー人優先のブミブトラ政策によって差別を受け、マレーシア人としてより華人としてのアイデンティティが強い。

立派で広々とした公共団地が安価で提供されるシンガポールでは「家」という財産の所有がシンガポール人としてのアイデンティティ形成の一助を担っている。外国に旅行し、自分たちの住宅事情が恵まれていることが分かったと言うシンガポール人は多い。適正な住宅に住むことは人々に尊厳を与え、その土地での生活に愛着を与える。同様のことは日本で家を買い、日本語を流暢に話す欧米人の外資系幹部にも言える。彼らは世界金融・経済において日本のプレゼンスが下がることを危惧する。Job Security に直結するからだ。

Reference:
http://blogs.yahoo.co.jp/casabonita202/20227083.html