One Year Later

一年が経った。刻々と変わる状況のなか「これからどうなるんだろう」と未来に大きな不安を感じ、多くの人々の訃報に悲しみ、名も知れない人々の勇気ある行動に思いを馳せた、あの日から。

絶望を前に人はたたずむ。しかし、体は動かなくとも、心の中では地殻変動が起きている。新しい現実を受け入れ、次に希望を見るために。

安全だと思っていたことが、安全だと思えなくなったり、リスクのなかの希望が、以前より光り輝いて見えたり。絶望で体が重いのは、無意識で希望を探す試みに集中するため。

震災直後、シンガポール中に募金箱が現れ、その多くが満杯で自分がお金が入れられなかったこと。バスで見知らぬ人から「大変ですね」と声をかけられたこと。被災地や救援活動の写真が飾られ、地震体験車が街を走る（地震がない国なのに）。そしてシンガポール赤十字が初めたキャンペーン「Because, we are one」を見た時。「愛されている」と感じ、感謝の気持ちであふれた。

この一年、シンガポールに来る日本人が多くなった。アジアに出ていく企業も増えたと感じる。自分も会社を立てた。多くの人に絶望を感じさせた、あの一年前の震災は、新しい希望を生み出す土壌となる。

http://www.redcross.org.sg/press_releases/because-we-are-one-campaign/