文明と世界の繋がり
同僚のカンボジア人に数の数え方を聞いたら、どことなくラテン語系に聞こえた。特に3がTreのように。そこでサンスクリットに似ているねと言うと、そうカンボジアはインド文明圏だよ教わり驚いた。そういえば仏教国でもある。隣のベトナムは声調のある 言葉を話し、明らかに中国文明圏の影響下にあるので、文明とは空白を埋めるように広がり、文明と文明の間には文明は存在しないことに気がついた。それだけ、文字や数字などの発明は、特殊な環境を必要とするのだろう。
サンスクリット語の数字は、明らかにラテン語に近く、そう考えるとスペインからカンボジアまで似たように数えているとは本当に文明の浸透は普遍的なのだなと思う。インドの文明は、インドネシアのジャワ島にあるボロブドゥール遺跡から明らかのように、遠く海を越えて、インドネシアまで達していた。
その後、台湾の原住民について、インド文明とともに、古代インドネシアに渡来した人々が土着の人を追い出し、土着の民が突き出される形で、北に逃れそれがフィリピン、そして台湾まで玉突きのように、影響が伝播して、やって来たと読みまた驚いた。そこまで世界は繋がっているのかと。
古代中国の歴史を読んでも、戦国時代を勝ち残った秦は、中央アジア近く鉄器の技術を吸収しやすい地理にあり、強大な軍隊を持つことができた。鉄器の技術をもつ人が、移動することで周辺の歴史を変えて行った。ヘロドトスの歴史が描くスキタイ人と呼ばれる古代遊牧民と、司馬遷の史記が描く、匈奴と呼ばれる遊牧民は、繋がりがあると考えられている。
インドでタージマハールを尋ねたとき、ガイドさんがムガール帝国のムガールはモンゴルですと教わった時も、 歴史の繋がりに驚いた。古代ではローマ帝国とインドの通商は盛んだったが、後漢書によれば西暦166年にローマ帝マルクス アウレリウス アントニウスの使者が漢の最南端の郡である日南(ベトナム中部)にやってきて贈り物を献じたという。
インド人の同僚が、アレキサンダー大王がインドまで来たと教えてくれたとき、信じられないと思ったが、ミリンダ王の問いという仏典を読めばギリシャ世界とインド世界の深い交流は明らかだ。ちょっと変わったところでは、ラーマヤーナの猿の軍隊は、中国の孫悟空だと言われた時には、信じなかったがオモシロイことには違いない 。後に三蔵法師が長安からインドに渡り、アレキサンダー大王がたどり着いた場所を通ったことを知り、また日本の僧侶円仁が中国の長安に行く旅についての本を読んだ際、点と点が繋がり、人間の行動力の源泉を知りたいと気持ちを新たにする。
古代を知れば知るほど、世界は昔から繋がっており、人は昔から国家を形成し、古代文明の影響を現代にまで感じることができる。紀元前17世紀ごろから始まった殷の国で使われた甲骨文字をみると、「一、二」の漢字は今と同じ形だ。昔から、世界の一部で起きたことが、波紋が広がるかのように、世界中に影響を与えてきた。鉄器の利用がよい例だ。昨今のインターネットの時代、世界がかつてないほど密に繋がっている。可能性と不確実性ともに 人類史上一番、高まっている時期といえるだろう。そこで可能性にかけてみることは合理的と言えるのではないだろうか。
参考:
ラテン 1:unus , 2:duo, 3: tres
サンスクリット1:eka, 2:dve, 3:tri (http://www.youtube.com/watch?v=JLCWLsVYP_c)
クメール1: muy , 2: Bee , 3:bei (http://www.youtube.com/watch?v=M2L2jAFv0Xk)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%83%96%E3%83%89%E3%82%A5%E3%83%BC%E3%83%AB%E9%81%BA%E8%B7%A1
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%82%BF%E3%82%A4
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%AB%E6%82%9F%E7%A9%BA
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%82%BF%E3%82%A4
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B2%E8%A8%98
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%86%86%E4%BB%81
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%80%E7%94%B2%E7%8D%A3%E9%AA%A8%E6%96%87%E5%AD%97
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