Fintech による銀行の埋め込み化と世界標準化の主導権をとる重要性
銀行業は基本的に、簿記を基本とした情報処理産業である。だからこそ、ITの進化の影響を受け、FintechやBank3.0などがブームとなる 。
自分はFintechの本質は、銀行業の埋め込み化とその標準化であると考える。Yahooなどのホームページにアクセスすると、実は一つのページでも、広告バーナは広告会社から、写真は静的なコンテンツを担当するサーバ、ヘッドラインは動的なコンテンツを担当するサーバなど、別の場所から情報を取得し、一つのページを見せている。
みずほ銀行のラインによる、口座情報の取得は、銀行業の埋め込み化の象徴的な例だと考える。
同様に、一人の人が一つ以上の銀行口座を持つならば、家計簿ソフトなどは様々な銀行口座を統一的に扱い、自分のポートフォリの全体像を見たいと思うはずである。そのためには銀行をまたがる、共通の標準化されたAPIが必要であり、IBMやOPENBANKなどの取り組みがそれに当たる。またデータアクセスのAPIを標準化する場合、データベースそのものもBlockChainによるDistribution Ledgerとして標準化されると考える。
不正アクセスによるデータの改ざんが、これまで銀行データの共有化、API化を妨げてきた。しかしBlockChainによるBitCoinの実装が、インターネット上で共有化されているのに、改ざんされないことを証明し、銀行データの共有化を後押した。
みずほや三菱UFJ銀行などは、ハッカソンイベントを開き、様々な銀行の埋め込み化のアイデアを競っている。将来的にはグーグルのような企業がユーザー体験を管理し、ポータルに採用されない銀行は、顧客が口座を開いても、使用されない口座となってしまうのではないだろうか。グーグルニュースに採用されない新聞サイトが、存在しないかのように扱われるように。
銀行法が変わり、銀行が傘下 にIT企業を持ちやすくなる。銀行はITバブルのようにIT会社に投資をすることで、支配されるよりも支配することを目指すだろう。
今後、Fintechの名のもとにDistribution Ledgerによるデータ保持や、標準APIなどが整理され、もしTPPなどが批准されれば、独自のBlockChain実装やAPI実装などは駆逐されていくだろう。銀行の埋め込み化での独自実装は、世界におけるISOなどの標準化や、特許政策などの世界標準化に向かっての戦略的思考がなければ、非関税障壁、参入障壁として外圧にさらされるからだ。
参考
https://m.youtube.com/watch?list=PL3-wgDQMpL_DXS5UZ3pKQwNV5UOvg3PwU&v=TiIviL6SO08
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/346926/103000369/
http://jp.techcrunch.com/2016/03/18/fintech-challenge-hackathon/