Get Things Right

My English blog is here http://getthingsright.blogspot.com/

階層構造とは (格差社会への入口入門その1)

どんなときに階層構造ができるのだろうか。

自分が属している組織は平社員→ Analyst → Associate(自分) → Vice President(略してVP) → director →Managing director (略してMD) →さらにMD→さらにMD→さらにMD→さらにMD→CEO兼ボードメンバーのような階層構造になっている。この矢印の部分をreporting lineとよぶ。

自分が関わりあるVP、Director職はもうプログラムは書かない。代わりにさらに上の階層に報告するための報告書をよく作成している。自分とは関わりがないさらに上の階層もさらにさらに上の階層のために報告書をつくっているのだろう。この階層構造はひとりの人間が必要とされる情報処理、情報伝達の総量を抑制する役割がある。

サル山の猿の群れと比べて野生の猿の群れは階層構造が緩いときく。サル山で餌を与えた経験がある人は知っていると思うが、小猿に餌を上げようとすると体の大きい猿が小猿を追い払って餌をとってしまう。餌をみつける状況が常に同じなので、大きい猿は常に小猿に対して常に優位にたつのだ。この階層構造は与えられる状況の場合の数が抑制されていることで成り立っている。

アフリカの難民キャンプに援助物資を届ける場合、難民キャンプの中でギャングのような集団が救助物資の受け取り窓口になることがある。彼らは国連などの団体が物資を直接難民に配給することをよしとしない。自分たちを通すことを要求し結果として彼らが物資を受け取り、分配する。

金融システムも階層構造をもっている。金本位制でない(物の価値で裏付けられてない)不換貨幣が通貨として流通しているため通貨発行者の日本銀行と直接取引できる金融機関はそのの信用創造のおこぼれにあずかりやすい。

太陽エネルギーが常に降り注ぐ地球では植物が育ち、その植物を食べる草食動物が存在し、その草食動物をたべる肉食動物が存在し食物連鎖という階層構造を形成する。

社会主義国家の問題点は富を共有のものとしているが、実際には中央に集めて再分配する過程があるので第一分配者→第2分配者→第3分配者という階層構造が必要となり、上位階層が既得権益化してしまう点だ。富の分配を自律的に機能する市場に委ねている資本主義経済はこの意味でより持続可能なシステムといえる。