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金融システムの階層構造(ヒエラルキー)The hierarchical structure of financial system through account aggregation process

企業レベルでの資金決済に紙幣が使われることはほとんどない。多くの場合口座振替という形で行われる。同一の銀行内における100万の口座振替(口座番号1番が支払い、2番が受け取り)の場合は、ひとつのエクセルシート上に(口座番号と金額の2列)口座番号1番の金額マイナス100万、口座番号2番のプラス100万と2行明細追加する。明細が多くなれば一つのシートに収まりきらないのでいくつかの明細を合計しておまとめ明細としてエクセル上に保存する。(エクセルではなくデータベース。技術は日々変わるので一番親しみやすいエクセルとしている。)

異なる銀行間の振込みでは(A銀行からB銀行へ)エクセルシートが2つになりA銀行のエクセルシート上にマイナス100万、B銀行のエクセルシート上にプラス100万の明細をそれぞれ追加する。ここでの口座の単位は銀行に口座を持っている企業、個人である。(1st Tierと仮称)

日本銀行もエクセルシートを持っており、そこにも口座番号と金額の2列がある。ここでの口座はA銀行、B銀行などの金融機関に対応し、金融機関はグルーピング名の役割をはたす。(2nd Tierと仮称)

国際間の資金決済ではCLSバンクが使われる。ここにもエクセルシートが存在し口座番号と金額の2列が存在する。ここでの口座は中央銀行など各国を代表する金融組織が対応し、さらに大きな単位となる。(3rd Tierと仮称)

このようなピラミッド型階層構造は情報伝達のコストが高い場合特に存在意義が高くなる。階層構造を形成することで個々の階層はそれぞれ隣り合う階層としか情報を伝達しあう必要がなくなり、上位層が必要とされる情報伝達総量が抑制されるからだ。過去においてピラミッド階層が構築されてきたこと自体、金融とは情報産業であることを示しているように思える。

もし日本銀行があなた個人の口座開設を許し、金融機関と同様に口座を管理するとどうなるだろうか?単純に考えて日本銀行は数は少なくなったとはいえ市中にある銀行すべての口座番号を合計した数の明細行を一つのエクセルシートで管理するイメージだ。

国としては政策金利の上げ下げが直接個人と企業に直接影響を与えることになる。個人、企業の借入れは「国の政策金利+信用」という形がより鮮明になるであろう。また金利政策が金利裁定に依存しなくなることで、より公平な富の分配も期待される。