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 ヨーロッパ1 ベルリンとポツダム

2週間、ベルリンを中心に家族でヨーロッパに滞在した。町ごとに印象を語りたい。

ベルリンは東西ドイツ統合の象徴的な街。戦後分割統治されていたが、アメリカのマーシャルプランによって、西側の経済成長が促され、東側との格差が開くため、東側の国が人を押し留めるために壁が作られたという。国が人の移動を制限するのは、いつの時代も国を守るためか。

ベルリンは長いこと建設ラッシュが続いている。また旧東側の地区を持つため住宅費が安く、壁崩壊後、金のない芸術家達が集まる文化の街となった。森が豊かで、川や湖もあり(運河も)、豊かなロシア人が住んでいる地区や、極めつけはフリードリヒ大王の宮殿、サンスーシ公園など、住環境は自分の想像を超えるものがあった。シンガポールも凄いと思っていたが、やはりヨーロッパの美しさは比類がない。The Life of Qualityとはこういうことをいうのかと、美しい街並みを抜け、森を抜け、運河に小さな帆船を利用した、カフェをなんでもない場所で見つけた時に思った。住んでみたい。

フリードリヒ大王は啓蒙君主と呼ばれ、戦争にも強かったが、文化や芸術。そしてジャガイを広めたことでも有名。彼はローマの遺跡に似せた、廃墟を観賞用に山の上につくり、それを宮殿から眺めた。ヨーロッパにはローマ文明に対しての尊敬が根付いている。

その気持は分かる。ベルリンのペルガモン博物館に行き、ローマ時代の門の復元を見た時、その美しさ、手の込みように大きさに圧倒された。そこで説明を見ると、それは街中の市場の門という。てっきり宮殿か何かの門だと思っていた自分は驚いた。現在の市場の門に、あんな芸術的な門を構想する行政府があるだろうかと。

ヨーロッパには幾つも、ローマの後継国家とする国が生まれた。ドイツの新聖ローマや、今のルーマニアも名前からしてローマだ。また例としては良くないのかもしれないが、ナチ・ドイツもオリンピックで街を整備するあたり、第三のローマを自称し 「Ruin Value(遺跡価値)」を考慮した。つまり今建設しているものが2千年後に地下に埋まり、それが発見された暁にはどのように評価されるのかと。人々が古代ローマ遺跡に心打たれように、今建築しているものが偉大さを知る契機となりえるのかと。

これこそ文明だと思った。文明は過去から現在。そして現在から未来へと時間を超えて繋がっていくもの。長期な時間軸に根付いてこそ、生まれる視点と発想がある。ヨーロッパは過去の歴史的遺産に日常的に感化され、模倣しそれが未来へと連なる仕掛けに溢れている。美の様式を通して。だからヨーロッパ文明は中心が移動しても、そこに繋がりがある。アメリカも建国の際にローマを模倣した。


http://en.wikipedia.org/wiki/Ruin_value