Get Things Right

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資本の論理とは

お金はお金を生み出すところに流れていく。これが資本の論理。

年配の方と経済について話す際、資本の論理についての共通認識がないことに気付く。また気付いていても人間的でないと拒否反応を示す人もいる。確かに上記ステートメントには富の分配についての言及がないため、個々の人間の幸福を想起させるものではない。豊かな人がより豊かになっていく資本主義社会の現実を述べているに過ぎない。

なぜ豊かな人はより豊かになっていくのだろうか。

ひとつは富があれば社会的な信用が高いからだ。事業資金を銀行から借りるにしても自分の財産を担保に低い金利で融資が受けられる。また多くの資金があれば、スタートの時点で大規模に事業を始められ資材調達等、事業運営コストの削減ができる。不景気時においても体力があり景気の波に飲み込まれる可能性も小さい。最後に大きなお金があればより金利が高い投資機会に恵まれる。

世の中不公平だ。それでも社会は三角合併の解禁など、資本の論理をより強く貫き通そうとしている。なぜだろうか。

それは経済のグローバル化が進み競争が激しくなっているから。そして時代の流れとともに産業はより労働集約型から資本集約型に移行している。新しい製品、サービスを生みだすために必要な資本(お金)が大きくなり、限られた資本をめぐっての競争が激しくなっているからだ。

たとえば自動車。最近の自動車はコンピュータを搭載し、使用されるソフトウエアの複雑さが増している。また環境問題への関心の高まりが自動車産業により多くの研究投資を必要とさせ、開発に必要な資本が増大している。

身近な例では、自分の近所の小さなスーパーの前に大きなスーパーができた。大きなスーパー品揃えが豊かで24時間営業だ。小さなスーパーは倒産した。弟の友達のお父さんが経営していた会社だった。

発展が著しい中国は世界中から資本を受け、経済発展に必要なインフラ、産業を成長させている。同様のことは多くの東南アジア諸国、南米の国々、東ヨーロッパの国々で行われている。それぞれの国々は自国に資本が流れてくることを望んでいる。競争に勝つために、経済を成長させるために、世界に存在する限られた資本を少しでも多く呼び込もうと法人税削減等の政策をとっている国もある。

資本をめぐる競争に敗れた国からは外資は撤退し、国内資本は国外へと逃亡する。

Reference:

やさしいマネー経済のしくみ―富の集中から金融危機まで

やさしいマネー経済のしくみ―富の集中から金融危機まで