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比較優位に基づく人生戦略 その二 「万事塞翁が馬」だからこそより効率のよい「ダイナミックキャリアパス*仮称」インフラが必要

インド人。2000年前後まではインド人は優秀な順に、情報工学、電子工学、機械工学、土木建築工学と進み、情報工学は一番優秀な人が行く分野だった。同僚の友達は成績が悪く土木建築工学に進んだが、現在は地方政府のプロジェクトに携わり情報工学に進んだ同僚と同じ給料をインドで稼いでいる。昨今のインドに置けるインフラ投資ブームに押され、土木工学の人気は上昇し、彼の仕事は目に見える形で人々の生活を良くしていると情報工学を学んだ同僚は彼を羨む。

中国人。振り返ればここ10年来中国ほど経済成長が早く資産価値、購買力が上昇した国はなかなかない。エリートとして早い時期に海外に出、どんなにお金を外国で貯めてもリタイアして中国に帰るころには中国の物価は国際水準となっている。「裁定(アービトラージ)」とはそういうもの。海外に出た中国人エリートでも、中国国内に留まってただ単に都心部にもっていた土地が値上がりして資産家になった人ほどお金をためられる人は少ないのではないか。

投資家。株価はここ数年来の最安値を更新し、円が強くなっている。言い換えればここ数年以内に、勉強して外国投資した人は何もせずに日本の銀行にゼロ金利でお金を預けていた人より利回りが悪いことになる。

銀行。日本でバブルが弾けた後、大手銀行で最も被害が少なかったのが三菱銀行三菱銀行UFJを統合し日本一の銀行となった。被害が少なかったのはバブル時代に他行との貸出競争に敗れ続けていたからだ。

今回の金融危機。日本の銀行が欧米の投資銀行に助け舟として資本を出している。欧米の投資銀行は果敢にリスクを取り自滅。バブルの後始末に追われていた日本の銀行がいまのところ勝ち組に見えるのは隔世の感がある。

「万事塞翁が馬」とはよく言ったものだが、情勢が目まぐるしく変化し先が読めない時代を前提とすれば、どんな経歴でも後になって振り返れば現時点での情勢に最適でなかった選択がある。あなたの後悔は無根拠ではない。選択した過去の時点では現在は見えていないのだから。さらに現時点の情勢は絶え間なく変化するのだから。

だから1、2年間教育→数年実践→1,2年教育→数年実践というダイナミックキャリアパスへのインフラが必要と考える。先のインド人の例では情報工学で仕事が少なくなれば半年間集中的に、もしくは働きながら数年で土木工学を学んでキャリアチェンジできる人生のキャリアパス・スイッチングインフラ。MBA・ディプロマコースはその典型。ITune-U等、英語圏ではその新しい萌芽も見られる。MBAだけでなく様々な分野でより安くキャリアチェンジの勉強機会があればいい。また会社間でのポジションの呼び名統一も社会的インフラとなる。

多くの学問に前提となり若いころに学ぶことで比較優位が得られるものは、早い時期に身につけ土台とすればよい。具体的には母国語、外国語、数学、コンピューターリテラシー、論理思考、問題解決型思考など。

http://www.apple.com/education/itunesu_mobilelearning/itunesu.html