勘定での利息金額の旅に見る経済
一ヶ月に一回支払われる利息でも、勘定単位では日々の利息がある。利息額0円から始まり日々積み立て、月末には支払い利息額と同額となる。この日々の利息額積み上げは1)Accrued Interest Payable という勘定で行われ、月末になれば2)Interest Payableに金額は移され、カスタマーステートメントにその金額が受取り利息として計上される。利息支払日には、同額が3)Customer Accountに移される。
商品によっては顧客が金利を受け取るためには、月中平均残高に基準があり、ある一定の銀額が口座になければ1)から2)へとお金は移されない。1)Accrued Interest Payable はあくまでも、銀行が負うバランスシート上でのliabilityであり、実際の支払い金額とは異なる。
1)Accrued Interest Payable (ノストロ口座 -nostro means ours )
2)Interest Payable(ノストロ口座)
3)Customer Saving Account(ボストロ口座 Vostro means yours)
上記、3つの口座の違いは1)、2)はノストロ(ours)、つまり銀行に所有権があり3)はボストロ(yours)、顧客に所有権がある。また1)は支払いが確定していない金額であり、2)は支払い金額が確定した金額を扱う。この3つの口座は全て、同一の銀行にある帳簿だ。
顧客が3)からお金を引きおろさない限り、利息を与えたとしても銀行からお金は出て行かない。しかし利息を与えた分「お金」は銀行において増えている。その増えた「お金」は銀行の貸出利息、市場取引収益から来ている。そして貸出金は3)を通して顧客の手に渡り、顧客は3)を通して取引の決済をする。市場取引も3)を通して決済される。
つまり、銀行内での帳簿の付け替え自体が「お金」であり、それで実体経済が回っている。
通貨の電子マネー化、銀行のグローバルバンク化(銀行が証券口座と資金口座を持つ)はこの傾向を加速させる。