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カンボジア 出会い

 台湾からカンボジアには台湾系の航空会社二社と、カンボジア航空で合計3者が直行便を就航させている。片道3時間強と近い。今回は台湾からチャイナエアラインプノンペンへ飛んだ。隣なりに座っている外国人に「台湾どうでしたか?」と聞くと、彼はニューヨーク発で、台湾はトランジットだという。

 

彼は50歳で40年前カンボジアからタイの難民キャンプに家族とともに移り住み、その後フィリピンに移され、15歳でアメリカに保証人が見つかり、移住した。フィリピンでは国連が提供する難民の ための適応トレーニングを受けた。難民たちは、子供のオムツなど見ても、何に使うかわからない。そのような先進国の常識を身に着けたあと、ドイツやアメリカに送られるたという。

 

彼はしきりに、「自分はお金持ちじゃない。しかし家を持ち、子供二人は大学を卒業した。だからこれからは自分のために時間を使うのだ」と。プノンペンへの帰郷は40年間で今回が初めて。 また彼は「アメリカは偉い」と。「アメリカには法があり、人権が守られている」という。

 

プノンペンでお昼に、イスラム教徒が経営するハラルレストランに入った。仏教の国なのに、イスラム教徒は多いのですかと聞くと、大きなモスクがいくつかプノンペンにはあるという。またメコン川の水上生活者は基本、イスラム教徒だと教えてくれた。また驚いたのはイスラム教徒は、チャンパ王国(192-1832)という、ベトナムに存在したインド文化を受容した国から来たという。中華文明の影響が色濃いベトナムも、昔はインド文化圏(Greater India)だったのだ。

 

カンボジアで長く働いている人が言うには、カンボジアの教育は「自分たちは偉大なクメール王国を引き継いでいる」ことを強調する。カンボジア人を見ると、インド人、マレー系、中華系など様々な顔立ちがある。店に立ち寄り、華人系の顔の人には基本中国語で話しかけるのだが、中華系の学校を卒業しているだけあり、中国語が上手な人が多い。華僑ならば明確な答えが帰ってくる質問「君の家系は中国からカンボジアに来て何代目なの?」と聞いて回っても「自分の家族も祖先も全員カンボジア人」と皆、答える。意識は華人というより、カンボジア人なのであろう。

ベネディクト・アンダーソンは東南アジアの専門家で「国民」との概念は極めて最近のものであるという。彼も東南アジアというインド文化圏・中華文化圏に挟まれ、宗教的にも人種的にも多様な中で、国民国家を構築した東南アジアの国々を研究対象としたからこそ、「想造の共同体」を思いついたのでは。(まだ読んでいないが、いつか読もうと思う)

 

参考  

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%91%E7%8E%8B%E5%9B%BD

https://en.wikipedia.org/wiki/Benedict_Anderson

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%83%B3%E5%83%8F%E3%81%AE%E5%85%B1%E5%90%8C%E4%BD%93