Get Things Right

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 バルーン・ローン

高級車(BMWだったかな)の購入資金を若者向けに銀行が融資する際、最初の数年は低金利で後から金利が上がっていくバルーン・ローン形式を導入した。車が担保になる上に若者は年齢を上がるごとに収入が上がるはずだから問題ないという目論見だ。

結果このローンは返済が滞り(不良債権化)し、速やかに規制をかけられ今は存在しない。この仕組み、一体何が悪かったのだろうか?

統計を見れば若者は年齢を上がるごとに収入が上がっているはず。若いうちからBMWなどの高級車を借金して買う若者がたまたま見込み違いなのか?日産マーチを買う若者なら堅実なため収入増が見込め、この仕組みはうまくいったのだろうか?

重要なのはお金を貸した時点ではお金が返ってくる・こないは確定しておらず、金利が支払われている限り銀行は収益が上がり、若者はBMWを手にし、BMW売店は売り上げが増加しみんなが幸せだということだ。お金を貸して消費を増加させることはお金(富)を増やすことに相当する。

今回の金融危機。銀行が資金を貸付け証券会社が証券に投資する。いわゆる信用取引(マージントレード)でも同じ構造がある。お金が回っている限り銀行、証券、発行体がお金を増やし恩恵を受けていた。

貸す人、買う人、売る人。3方得な構造がバブルを生み出す。バブルが弾ければ貸す人がダメージを受け政府に助けてもらう。この構造は次回の金融危機でも変わらない。だがこの構造の変わりになる仕組みは構築できる。