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Seigniorage 通貨発行特権

世の中のお金のほとんどが紙幣、貨幣という目に見え触ることのできる形で存在しているのではなく、銀行口座の記録、債権等帳簿上の記録(データ)という形で存在している。その帳簿上の記録(データ)を残高が多くなるように書き換える特権をシノレージ(通貨発行特権)という。

では誰がその特権を保持しているのだろうか。実は政府だけがその特権を有しているのではないことを明らかにするため、お金(medium of exchange)が増えていく過程を以下に記述する。

お金とは売買する際に仲立ちとなるもの(medium of exchange)である。貝殻で車が買えるなら貝殻がお金といえる。もし佐藤さんが通貨「Sato」を自分で発行し、みんながお金として使ってくれる場合、つまり通貨Satoで買い物ができる場合佐藤さんはシノレージ(通貨発行特権)を持つといえる。―――例1

近年、航空会社が発行するマイレージ、家電量販店が発行するポイント等もそれを仲立ちにして買い物ができるためお金とみなせる。このお金は発行体から見れば負債とも見えるが、市中に出回っている限り(発行体に戻ってこない限り)返済する義務はない。また返済の方法も発行体自身が決定している.ため発行体はシノレージを持つといえる。(ちなみに筆者は企業が生み出す財、サービスの価値を担保にした企業通貨郡を元に作成したインデックスのようなものが富の分配の面からみてより公平かつ自律的な経済インフラを実現する一案になりえないかと考えている。)―――例2

銀行は預金者から100万円集め、ほかの銀行に70万円貸し付けた場合、前者の銀行は100万円相当の貸出金(債権)、後者の銀行は現金70万と市中にはお金が170万円あることになる。銀行は市中に流通するお金を増やすことができる(money creation信用創造)。―――例2

投資家が100万円の国債を買い、それを担保にして100万円借りる。そしてまた100万円の国債を買った場合、投資家の国債の残高は200万となる。―――例4

企業が株式を発行し100万円集めた場合、企業は100万円のお金を手に入れ投資家は100万円の価値がある株式を手に入れる。もちろんその価値は市場で売りに出さなければ価格として確定できないが100万円で売却できた場合、株式発行を通じて経済に流通するお金が単純に計算して200万円と2倍になったことになる―――例5
これら5つの例のほかに政府が国債を発行し、それを買い取るという形でお金が市中に流通するお金が増える場合もある。

共通して言えるのはお金自体単に売買活動の仲立ちでしかないため、「信用」を債権にし手から手へと流通させる構造である(トランプのばば抜きのように)。