Get Things Right

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繰り返すこと

会話は聞くこと(音→意味)、話すこと(意味→音)を相互に繰り返すことで成り立っている。日本語と中国語は漢字をある程度共有しており学習者は意識的、無意識的に(意味→漢字)、(漢字→日本語の音読み)の関係を頭の中で構築してしまう。

この行為は至極自然なことだ。中国語の発音は微妙な差異が多く、また同じ単語でも異なる音に聞こえる(例えば「不」はブにもフにも聞こえる)。捕らえどころのない外国語の音に頭の中で意味を関連付けるより、中国語の漢字をみて(聞いて)日本語の意味(漢字)を関連付けるほうがよっぽど簡単だからだ。

しかし易きに流れる代償はこと中国語学習については大きいと思う。四声が身に付かないからだ。四はSIで下がる音。十はSHIで上がる音。SIの音で上がる発音をすると十と認識される。中国語で四声が重要だと聞いていたが実際に「四声」が「音」の上位に来ているのを経験すると驚きがある。

先日中国語を話す同僚が東京からきて一緒に外出した。自分が中国語を話すのを聞き「中国人みたい、2年後にはぺらぺらじゃないかな」と言ってもらえたのは嬉しかった。明らかなお世辞だが、意識して「音」と「意味」の結びつきが強固に保ち、文字を見ても中国語の「音」が瞬時に浮かび意味を理解するほど音声情報を視覚情報の上位に据えていたことが中国語会話において迅速な反応ができた一因と考える。

彼は日本語が達者だが彼曰く「わかるときはすぐに言葉に出して喋れ」という。外国人にしては流暢に日本語を操ると思っていたが外国語習得に於いて理にかなった行動様式を身に着けていたのだな感心する。

もうじき3歳になる娘は言葉のわからないまま幼稚園に入れられ半年になる。夏休みになったので中国語の復習の為、先日中国人に家庭教師をきてもらった。まだ文章を組み立てたり理解したりすることはできないが、外国語を聞くとすぐさまオウム返しのように繰り返す行動様式が身についている。彼女なりの幼稚園でのサバイバル術なのだろう。