経済学事始 セイの法則 Say’s Law : Supply creates its own demand
初めてこの法則に出会ったとき何を言っているのか全く分からなかった。特に「its own」の部分。
その極意は「売れるものを造れば経済は大きくなる」と自分は解釈する。
売れるものを造れば、それは売れ、売った人は所得を得る。その所得が購買にまわることで需要(demand)はより大きくなり経済が発展する。「its own」の部分は需要・供給が表裏一体であることを意味していると理解した。
「売れるものを造れば売れる」とは当然のことを言っているに過ぎないが、当時自分が大学生の時、今現在も続く不景気の対策として財政出動を繰り返し、借金を増やし続けた経済政策に対する強烈なアンチテーゼに思われた。使われない道路、橋。それは売れない商品との類似。原材料を売った人は所得を得るが、売れない商品は経済循環の中での血栓として滞り、経済の還流を塞ぐ。そして今なおオリンピック招致等、(作れば売れた・使われた)物が少なかった貧しい時代の発想で経済を考える人が多い中、この法則の重要性はいっそう増している。
グローバルに競争が展開される世界経済では「売れるもの(サービス)を造る」のはどんどん難しくなる。日本の総労働人口のうち「売れるもの(サービス)」を生産する主体に従事している割合が少なくなるにつれ、日本経済は縮小する。
だからこそ人々が「売れるもの」の供給に従事できるようになるため、教育・本の出版・個々人の言論活動がより重要になると考える。
Reference:
- 作者: Paul A. Samuelson,William D. Nordhaus
- 出版社/メーカー: McGraw Hill Higher Education
- 発売日: 2004/09/16
- メディア: ペーパーバック
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