Get Things Right

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Ceteris Paribus

一つの要素だけを変数とし、その他全部を定数とする(All other things being equal)という意味。ラテン語由来。その他et al , i.e., e.g., c.f. ,dittoなどもラテン語由来。 

初めてイギリスに行った時、日本人留学生の先輩に「海外にいたら自動的に英語が伸びるのですか?」と尋ねると「初めの一年半は海外に出ると、環境のお陰で伸びるけど、その後はやっぱり自分の努力だよ」と教えてもらった。環境から学ぶ英語もあるが、自分で意識して新聞や雑誌、もしくは本を読んで伸ばさなければ頭打ちになる。留学して直ぐに教えてもらった金言だ。

自分の専攻は経済学だったのでひたすら需要曲線が左にシフト、右にシフトと英語にあまり深みがないと気づいた。時々上記のラテン語も使われたが、政治学歴史学と比べ、The economistなど経済誌を英語で読めるようになる以外、あまり「英語が上手になる」気がしなかった。大学という場は「英語を伸ばす」という英会話の場所ではないが、それでも自分は留学したことでいくつもの気づきが得られ、自分の英語力の礎を築いたと思う。

一つ目の気づきは「貴方のお名前は?」と聞かれ、自分が「My given name is Yoshi」と答えたら 「Oh, “given name”.. very good !」と反応されたこと。”given name”と言うことで「親から頂いた名前」と親を敬い、家族を大事にする気持ちが感じられ、相手に好感を持ってもらった。言葉の選択は「意味」だけでなく、「気持ち」も入っているのだ。衝撃だった。

二つ目の気づきはボランティアで現地の小学校に行ったこと。博物館と子供たちと行き、中世の甲冑をみて子供たちは「小手(Gauntlet)」「 兜(helm)」など、甲冑のパーツの名前を叫ぶのを聞いた時。自分の聞いたことのない語彙を前にしてこれが英語圏ネイティブスピーカーなのだと驚いた。またミシンの糸を巻きつけるプラスチック製筒を持ち出され、子供に「先生、これ何ていうの」と聞かれて絶句したとき(答はcotton reel)。英語に自信がある大学生の自分が、小学生低学年に語彙力の差を見せつけられる。外国語は自分で天井を造ってはだめなのだと思った。

海外での経験を通して、自分の中で外国語への新たな基準ができてくる。そしてそれが新たな目標を造り、モチベーションとなる。長く滞在することで、常に言葉が伸び続ける人と、そうでない人の違いはなにか。国内で勉強しているときは テストの点数や、どの参考書を次に使うかだけが、自分の英語力の基準であった。自己に内在する基準の多様性と奥深さが、自己の語学の天井となり、到達できる水準を決めると気づいたのはずっと後のこと。