COVID19とPCR検査
カンボジアでPCR検査を受けた。自分が滞在しているコンドミニアムにCOVID19発生者が確認され、その約2週間後、突如明日に全従業員と滞在者にPCR検査をすると管理組合を通して通達があった。午前10時頃電話がかかり、下に来るよう要請があり、行ったが、午後2時にまた来てくださいと追い返された。防護服に身を包んだ人が何人もおり、非日常的に思えたので写真をとろうとするいと大声で「No Picture」と言われたので写真を断念した。
PCR検査の前に、身元確認が行われる。まずはじめに「英語か中国語、どちらがよいですか」と聞かれ、それから名前の確認。多くの人が(多分MinistoryOfHealthの人)が英語、中国、クメール語を喋れるように見受けられた。
椅子は(消毒液によるものと思われるが)濡れていた。そこに座り、口を大きく上げると「違う」と言われた。まず鼻に長い綿棒を入れるのだ。少し痛かった。そのあと、木のヘラで舌をおさえながら、長い綿棒を喉の奥まで差し込まれ、思わず「オエィ」という声が漏れた。 不快ではあったが、あっという間に終了。結果はまだわからない。PCR検査に必要なのは長い綿棒なのだ。だったらもっと頻繁に行われても良い気がした。
考えてみると、2週間経ってからの通達は潜伏期間を避けている意味があるのでは。また通達は突然で、当日に報名‧登録、翌朝に検査とあったが、それは通達と検査実施の間に移動する時間を与えないためでは、と思うとかなり細かいところまで考えられたマニュアルがCOVID19に対しては(英語や中国語の情報にアクセスできる国では)存在するのではないかと思う。
先週は本来ならばカンボジアの正月休みに当たるが、人の移動を抑えるため急遽平日に戻され、かつ、移動制限も課された。感染者の人数が少ないうちから、全ての学校も閉鎖され(3月18日)、また消毒液の設置、人と人の間隔を開けるための措置等、COVID19に対する対応がカンボジアは早いと思うし、マスクを付け始める人も早い時期から多かった。政治家が中国に行ったり、クルーズ船を迎えたりと、COVID19を無視していると思ったが、考えてみればCOVID19にカンボジアが対応するにはアメリカや中国の支援が欠かせない。支援を要請するための下準備とみなすことができると思った。また4月2日からカンボジア全土でカジノに対して営業中止を求めた。この国でカジノの営業を止めるということは大きな政治的決断だ。また4月5日から米の輸出禁止も始まっている。米ドルを国内通貨としているカンボジアは、国内通貨供給を増やすためには外貨獲得が必須にも関わらず。
話変わって、コロナが気になり、最近テレビを見るようになった。「新型コロナウイルス] 瀬戸際の攻防 | NHKスペシャル | NHK」を見た雑感なのだが、対策チームが働いている部屋にカップラーメンが積み上がっているのが見え、びっくりした。本来ならばグーグルオフィスみたいに、カフェテリアやジム、仮眠室(そしてマッサージ)みたいな最高の職場環境で働くべき人々が、狭く3密の権化のような場所で働いているように見えた。東北大震災の際、自衛隊は長期に活動が見込まれることを前提に「戦力回復」のもと、生活支援や疲労回復までも含めて計画‧活動していたが、「戦力回復」の概念がないようにも思えた。
自分なら各保健所や各種医療機関からの情報を集約する仕組み(コールセンターやITILプロセスなどで使われているチケットシステム)を使用し、リソースが足りない部分を視覚化しつつ、データをもとに予算を配分してもらい、リソースのマネージメントは事務方で、公衆衛生の専門家たちが、より専門分野に注力するようサポートする組織体制を構築するのにと思いながら見ていた。また「War Room」や「Command Center」のような24時間体制も構築し、公衆衛生の専門家がいつでも必要な指示を出したり、24時間体制で個別タスクの進捗確認などもできるようにする。WHO本部はスイスに在るため、日本とは時差が7時間ある。公衆衛生の専門家はWHOと連絡を取るだけでも、睡眠を削っているのではと心配になる。
ネガティブなことを書いたが、やはり日本はすごいと思ったことにアビガンの備蓄。遠い昔に流行して長いこと流行していないウイルスには、一般に国民は免疫を獲得していない。そのようなウイルス(再興型インフルエンザウイルス感染症)に対して、アビガンのような薬が用意されいる国は他にないのではないか。ここに来て思い出したが昔、薬剤に関わる仕事をしたことがあり、リサーチのために厚生省に電話をしたり、出向いて役人の方々や記者クラブの新聞記者の方々と会話をしたことがある。その経験についても別途記述したい。